宮崎県発祥の郷土料理「チキン南蛮」は、甘酢タレとタルタルソースの組み合わせが絶品の人気メニュー。鶏もも肉で作るのが一般的ですが、鶏胸肉でも驚くほど柔らかくジューシーに仕上がります。この記事では、本場宮崎のレシピと、鶏胸肉をパサパサにしない秘訣を完全解説します。
鶏胸肉チキン南蛮のメリット
| 比較項目 | 鶏もも肉 | 鶏胸肉 |
|---|---|---|
| 価格(100g) | 約90〜120円 | 約60〜80円 |
| カロリー(調理後100g) | 約320kcal | 約280kcal |
| タンパク質(100g) | 約22g | 約26g |
| 脂質(揚げる前100g) | 14g | 1.9g |
コスト: 鶏胸肉なら1人前約150円、もも肉なら約230円
本場宮崎のチキン南蛮レシピ【黄金比率】
材料(2〜3人分)
鶏肉(300g分)
- 鶏胸肉: 300g(1枚)
下味
- 砂糖: 小さじ1
- 塩: 小さじ1/2
- 酒: 大さじ1
- マヨネーズ: 大さじ1
衣
- 卵: 1個
- 小麦粉: 適量
- 揚げ油: 適量
甘酢タレ(黄金比率)
- 醤油: 大さじ3
- 砂糖: 大さじ3
- 酢: 大さじ3
- みりん: 大さじ2
- だし汁(または水): 大さじ2
タルタルソース
- ゆで卵: 2個
- 玉ねぎ(みじん切り): 1/4個
- マヨネーズ: 大さじ4
- 塩・胡椒: 少々
- パセリ(みじん切り): 適量
- レモン汁: 小さじ1
作り方【失敗なし10ステップ】
- 鶏胸肉の下処理: そぎ切りで一口大にカット(厚さ1〜1.5cm)
- 下味をつける: 砂糖・塩・酒・マヨネーズを揉み込んで30分置く
- タルタルソースを作る: ゆで卵を粗みじん、玉ねぎ・マヨネーズと混ぜる
- 甘酢タレを作る: 全ての材料を小鍋で煮立て、少しとろみがつくまで煮詰める
- 衣をつける: 鶏肉に小麦粉→溶き卵の順につける
- 揚げる: 170℃の油で両面3〜4分揚げる(薄い黄金色)
- 甘酢に漬ける: 揚げたてを熱い甘酢タレに10秒ほど浸す
- 盛り付け: 皿に盛り、タルタルソースをたっぷりかける
- 完成: お好みでレモンやパセリを添える
鶏胸肉を柔らかく仕上げる5つの秘訣
秘訣1: そぎ切りで薄くカット
- 包丁を斜め45度に傾けて薄くスライス
- 厚さ1〜1.5cmが理想
- 繊維を断つことで柔らかく
- 効果: 火が通りやすく、噛み切りやすい
秘訣2: 砂糖とマヨネーズで下味
- 砂糖の保湿効果で水分を閉じ込める
- マヨネーズの酢と油が肉を柔らかくする
- 30分以上漬けると効果的
秘訣3: 衣は小麦粉→卵の順
- 片栗粉ではなく小麦粉を使う(チキン南蛮の特徴)
- 小麦粉→卵の順でしっとり仕上がる
- 余分な粉は払い落とす
秘訣4: 低めの温度でじっくり揚げる
- 温度: 170℃(唐揚げより低め)
- 時間: 片面2分ずつ、合計3〜4分
- 薄い黄金色になればOK(濃い色は揚げすぎ)
秘訣5: 揚げたてを熱い甘酢に漬ける
- 揚げた直後、熱いうちに甘酢タレへ
- 10〜15秒サッと漬ける
- 効果: タレが染み込み、衣がしっとり柔らかく
甘酢タレのバリエーション
本場宮崎の基本(黄金比率 1:1:1)
醤油:砂糖:酢 = 1:1:1
- 醤油: 大さじ3
- 砂糖: 大さじ3
- 酢: 大さじ3
- みりん: 大さじ2
- だし汁: 大さじ2
特徴: バランスの良い甘酸っぱさ
甘め派(砂糖多め)
- 醤油: 大さじ2
- 砂糖: 大さじ4
- 酢: 大さじ3
- みりん: 大さじ2
特徴: 子供に人気。ご飯が進む
さっぱり派(酢多め)
- 醤油: 大さじ2
- 砂糖: 大さじ2
- 酢: 大さじ4
- レモン汁: 大さじ1
特徴: 爽やか。夏向き
スパイシー(唐辛子入り)
- 基本の甘酢タレ
- 輪切り唐辛子: 1〜2本
- にんにく(みじん切り): 1片
特徴: ピリ辛で大人向け
タルタルソースのアレンジ
基本のタルタルソース
- ゆで卵: 2個(粗みじん)
- 玉ねぎ: 1/4個(みじん切り、水にさらして絞る)
- マヨネーズ: 大さじ4
- 塩・胡椒: 少々
- パセリ: 適量
ピクルス入り(本格派)
- 基本のタルタル
- ピクルス(みじん切り): 大さじ2
- ケッパー: 小さじ1
- レモン汁: 小さじ1
特徴: 酸味が効いて本格的
ヨーグルト入り(ヘルシー)
- 基本のタルタル
- マヨネーズを大さじ2に減らす
- ギリシャヨーグルト: 大さじ2
特徴: カロリー30%オフ
和風タルタル
- 基本のタルタル
- マヨネーズ: 大さじ3
- 味噌: 小さじ1
- 白すりごま: 大さじ1
特徴: コクがあって和食に合う
調理法のバリエーション
揚げない南蛮(ヘルシー)
- 下味をつけた鶏肉に小麦粉をまぶす
- フライパンに薄く油を引く
- 中火で両面3分ずつ焼く
- 焼き上がったら甘酢タレに漬ける
カロリー: 約220kcal/100g(揚げるより60kcal減)
オーブン焼き南蛮
- 下味をつけた鶏肉に小麦粉→卵をつける
- 天板にクッキングシートを敷く
- 鶏肉を並べて表面に油をスプレー
- 220℃で15分焼く
- 焼き上がったら甘酢タレに漬ける
メリット: 油が少なく、一度にたくさん作れる
タレ絡め南蛮(簡単)
- 鶏肉を揚げる(または焼く)
- フライパンに甘酢タレを入れて煮詰める
- 鶏肉を加えて絡める
メリット: タレが絡んでしっかり味
お弁当用チキン南蛮のコツ
冷めても美味しくする工夫
- タレは少なめ: 水分が出ないよう、サッと漬ける程度
- タルタルは別添え: 時間が経つと水っぽくなるので、小さい容器で別に
- 完全に冷ます: 温かいまま詰めると蒸れてベチャッとなる
- レタスで仕切る: 他のおかずに味が移らないように
前日仕込みテクニック
- 前日夜: 下味をつけて冷蔵庫へ
- 当日朝: 揚げて甘酢に漬ける(10分で完成)
- タルタルソースは前日作ってOK(冷蔵2日保存可)
よくある失敗と対処法
失敗1: パサパサになった
原因: 揚げすぎ・下処理不足
対処法:
- そぎ切りで薄くする(1〜1.5cm)
- 砂糖とマヨネーズで下味を必ずつける
- 170℃で3〜4分揚げる(それ以上は揚げすぎ)
- 揚げたてを熱い甘酢に漬けると水分を吸って柔らかく
失敗2: 衣がベチャッとなった
原因: 甘酢に漬けすぎ
対処法:
- 甘酢に漬けるのは10〜15秒でサッと
- 長く漬けると衣が溶ける
- 盛り付け後にタレをかける方法もあり
失敗3: タルタルソースが水っぽい
原因: 玉ねぎの水分
対処法:
- 玉ねぎを水にさらした後、しっかり絞る
- キッチンペーパーで水気を取る
- 作ってから冷蔵庫で30分寝かせると味が馴染む
チキン南蛮の歴史と豆知識
発祥は宮崎県延岡市
チキン南蛮は、1960年代に宮崎県延岡市の洋食店「ロンドン」で誕生しました。当初はタルタルソースなしで、甘酢タレのみでした。
「南蛮」の意味
「南蛮」は、ポルトガルやスペインから伝わった料理を指す言葉。唐辛子や酢を使った料理を「南蛮漬け」と呼び、そこからチキン南蛮の名前が付きました。
タルタルソースはいつから?
タルタルソースを乗せるスタイルは、1970年代に別の店「直ちゃん」が始めたとされています。現在では、タルタルソースありが主流になっています。
よくある質問(FAQ)
まとめ
鶏胸肉のチキン南蛮は、そぎ切り・砂糖とマヨネーズの下味・170℃で3〜4分揚げるの3つのコツで、もも肉に負けない柔らかさを実現できます。鶏胸肉ならコストは1人前約150円で、もも肉より80円安く、カロリーは40kcal低くなります。
甘酢タレの黄金比率は醤油:砂糖:酢=1:1:1で、揚げたてを熱い甘酢に10〜15秒サッと漬けることで、衣が柔らかく味が染み込みます。タルタルソースはゆで卵2個・玉ねぎ1/4個・マヨネーズ大さじ4で簡単に作れます。
揚げない南蛮やオーブン焼きならさらにヘルシーで、お弁当には前日仕込みが便利。宮崎県発祥の郷土料理を、ご家庭で手軽に楽しめます。